謹賀新年 | autochromatics differencia

謹賀新年

 新年明けましておめでとうございます。

 友人の皆さま、旧年中は大変お世話になりました。書物の山に埋もれ気味な私ですが、今年もよろしくお願いいたします。たまには外へ連れ出して、新鮮な空気でも吸わせてやって下さい。


 初日の出を見逃したので、うちのベランダから撮った年末の一日の夜明けを代わりに。



12/30-1


 今年から不本意ながらこのフォントで書きます。私は引き締まった緊張感のある明朝体を愛しているので、ゴシックで書くと気が入らないのですが、修正に手間がかかるので仕方ありません。今までは最初にWordで文章を打ち、それをこちらへコピペしていたのですが、それだとアメブロの画面上での修正が反映されないのです(タグの操作が必要なのでしょうか?)。今までは誤字が見つかるたびにWordで直し、それを再びアメブロにコピペし直して、画像も入れ直す、という面倒なプロセスを踏まされていました。なぜアメブロには文字サイズの変更のみでフォントの変更がないのか不可解ですが、ブログを明朝体で書きたいという希望もあまり寄せられないのでしょう。


 さて、論文は全体の添削が一通り終わりました。最後に書こうとしていた一節は分量の関係で註に回したので、後はチェックを入れてもらう人から批判を仰ぎ、全体の精度をさらに上げて、序論と結論を書き、体裁を整えれば一応提出可能な形になります。実は一箇所気になる論点があって、それが喉に突き刺さった骨のように居心地悪くさせているのですが・・・。いずれにせよ、あと半月、気を引き締めなおして継続的な努力を惜しまぬようにしようと思います。


 暮れから年明けにかけては、同居人も帰省中なので、あまり手の込んだ料理をしていません。先月の30日の夕食だけ載せておきましょう。



12/30


 メニュー

・鱈と野菜のオーブン焼き

・鶏肉のトマト煮

・冷やしトマト

・黒米入り御飯


 鱈料理は同居人が作ってくれました。バターとマヨネーズによって淡白な鱈にしっかりとした味のボリュームが出て、なかなか美味しかったです。トマト煮はワインビネガーとヨーグルトを加え酸味を強く。


 さて最後に、年末の『第九』ラッシュで何となしに手に取ったロマン・ロランの一冊から、次の言葉を自らに対する新年の戒めとして引き、新年最初のエントリーを閉じましょう。


 「ここにわれわれが物語ろうと試みる人々(ベートーヴェン、ミケランジェロ、トルストイ、ミレー)の生涯は、ほとんど常に永い受苦の歴史であった。悲劇的な運命が彼らの魂を、肉体的また精神的な苦痛、病気や不幸やの鉄床の上で鍛えようと望んだにもせよ、あるいはまた彼らの同胞らが悩まされている隠れたさまざまの苦痛と屈辱との有様を彼らの心情が感じ識ったことによって引き裂かれ、その故に彼らの生活が荒涼たる観を呈したにもせよ、とにかく彼らは試練を日ごとのパンとして食ったのである。そして彼らが力強さによって偉大だったとすれば、それは彼らが不幸を通じて偉大だったからである。だから不幸な人々よ、あまり嘆くな。人類の最良の人々は不幸な人々と共にいるのだから。その人々の勇気によってわれわれ自身を養おうではないか。そしてわれわれ自身があまりに弱いときには、われわれの頭をしばらく彼らの膝の上に載せて憩わせようではないか。彼らがわれわれを慰めるだろう。これらの聖なる魂から、明澄な力と強い親切さの奔流が流れ出る。彼らの作品について問い質すまでもなく、彼らの声を聴くまでもなく、われわれが彼らの眼の中に、彼らの生涯の歴史の中に読み採ることは、--人生というものは、苦悩の中においてこそ最も偉大で実り多くかつまた最も幸福でもある、というこのことである」 (『ベートーヴェンの生涯』 ロマン・ロラン著)