イルでギークな2006年エンタメバトン
Mixiでテツンド君から廻ってきた「イルでギークな2006年エンタメバトン」に答えます。今年ももう終わりなので。
1) 今年聴いた中で一番良かったトラックは?
一曲選ぶとしたらこれ。
Bill Evans “Waltz For Debby”
- Bill Evans
- Waltz for Debby
http://www.youtube.com/watch?v=dH3GSrCmzC8
毎朝この曲で目覚めるほど愛聴しているのですが、演奏風景の映像を初めて目にし、あらためて鳥肌が立つのを覚えたのでこれをベストに。夭逝した天才ベーシスト、スコット・ラファロとの奇跡的な邂逅は、精緻にして怜悧なビル・エヴァンズのピアノに内部からの発光と発熱を与える。それはまるで、穏やかな光の射しこむ海の中を、ゆっくりと深く降りてゆくような安らぎに満ちている。
アルバムではこれ。
Yagya “Will I Dream During The Process”
http://www.myspace.com/steiniplastik
アイスランドから届けられたアンビエントの傑作。ほとんど知られていないと思いますが。Yagayaは映像喚起力に溢れた叙景的なサウンドが特徴です。前作“Rhythm of Snow”では氷霧の舞い散る凍てついた音風景を幻想的に描ききっていました。乾いた氷霧のような音圧は感覚機能を無力化し、淡い陽光のような音色は武装解除された魂をいとも簡単に溶かし込んでゆく。今回の作品には神話的な物語性が加わり、時折彼方から聴こえてくる歌声はセイレーンの誘惑のように官能的に響く。おすすめです。
最近はほぼエレクトロニカのみ。他にFour TetとかLali Punaとかよく聴いてます。Lali Punaは現在産休中のようです。
2) 今年聴いた中で一番良かったmixは?
友人MaSaが作ってくれたmix CDはよくかけてます。MaSaには色々感謝してます!
3) 今年聴いた中で一番良かったロックは?(重複可)
ロック……。特になし。
4) 今年聴いた中で一番良かったブラックミュージックは?(重複可)
緒川たまきがナビゲーターとして出演し、サイモン&ガーファンクルの『明日に架ける橋』が世界中で聴き継がれ、歌い継がれてきた歴史を追った番組がありました。そのなかで、南アフリカのアパルトヘイトが続いていた時代の話が当事者の方の口から語られていました。抑圧されていた黒人の人々は、当時禁止されていた歌を、夜、家の中でひっそりと家族で歌い、心の慰めと支えにしていたと言います。想像のなかで聴こえてきたその歌声が、今年一番のブラックミュージック。
5) 今年聴いた中で一番良かったJ-POPは?(重複可)
J-POP……。特になし。
6) 今年一番良かったパーティー、イベントは?
先日の結婚式の二次会。
7) 今年見た中で一番良かった映画は?
- 角川エンタテインメント
- コーヒー&シガレッツ
ビデオでも許されるなら大野一雄が圧倒的に一番。翁は先日百歳を迎えられたようです。映画ならミケランジェロ・アントニオーニの『赤い砂漠』か、ジム・ジャームッシュの『コーヒー&シガレッツ』かな。もっと色々観た気がするが思い出せない。来年からは鑑賞した作品のタイトルくらいはメモをとろうと決めました。他にはヤンシュバンクマイエルの『アリス』と『ファウスト』も奇怪でよかった。新作『ルナシー』も公開しているようですが、劇場には行く時間がない。
8) 今年見た中で一番良かったアート作品は?
- フォイル, カルティエ現代美術財団, 東京都現代美術館, 吉田 紀子
- カルティエ現代美術財団コレクション展
MOTで開催されていた『カルティエ現代美術コレクション展』はクオリティが高くて面白かった。石原都知事はオープニングレセプションのスピーチでこれらを「ガラクタ」と呼んだそうですが。森ビルで開催している『ビル・ヴィオラ展』も非常に観たいが行く時間がない。
以上、これらが「イル」で「ギーク」なのかはよく分かりません。